2010年9月28日火曜日

Adaptive Hypermedia

読解支援に関する論文[1]を読んだので,メモしておきます.

本論文では,2000年直前における適応型ハイパーメディアの最新動向について解説している.適応型ハイパーメディアとは,個々のユーザの要求に応えるために,ユーザの持つ目標,嗜好,知識をモデル化し,ユーザとのインタラクションにそれを使用するものである.適応型ハイパーメディアが適応させるものは,Webコンテンツの表現や構造であり,それらをユーザの特徴や環境に応じて変化させる.この分野の研究は,1990年代初期から始まり,1996年に開催された国際会議をきっかけに多くの研究者の注目を集めるようになった.この年までに登場した適応型ハイパーメディアシステムは,
educational hypermedia,on-line information systems,on-line help systems,information retrieval hypermedia,institutional hypermedia,systems for managing personalized views in information spacesという6種類に大別される.
2000年以降は,他のシステムに統合されたり,オープンなコーパスを知識源としたり,モバイルなどの様々な端末で利用されるようになると予想されている.

注目フレーズ
  • One limitation of traditional "static" hypermedia applications is that they provide the same page content and the same set of links to all users.
  • Adaptive hypermedia systems used the following user features: user's goals/tasks, knowledge, background,
    hyperspace experience, preferences, interests and individual traits.
  • 支援対象
    • Presentation
      • Multimedia
      • Text
        • Inserting/Removing fragments
        • Altering fragments
        • Stretchtext
        • Sorting fragments
        • Dimming fragments
      • Modality
    • Navigation
      • Direct guidance
      • Link sorting
      • Link hiding
        • Hiding
        • Disabling
        • Removal
      • Link annotation
      • Link generation
[1] Peter Brusilovsky: Adaptive Hypermedia, User Modeling and User-Adapted Interaction, Vol. 11, pp. 87-110, 2001

2010年9月10日金曜日

Webページに関連知識の解説をリンクするWBLシステム

eラーニングに関する論文[1]を読んだので,メモしておきます.

本論文は,Webページを利用した探求学習における知識定着を支援するために,Webページの関連知識を自動的に提示するシステムを提案している.Webページの関連知識は,事前に用意した知識ベースからキーワード検索を使って生成される.そして,学習者の参照行動から推定された3種類の知識状態に基づいて元のWebページとは異なる別のWebページにて学習者に提示される.本システムに対して実験した結果,関連知識の解説へのリンク生成とアウェアネス支援の両方で有効な成果が得られた.

注目フレーズ
  • 探求学習
    • 学習者が自らの興味や目的に基づいて主体的に教材空間を探求しながら知識を獲得していく学習法
  • Webページを利用した探求学習
    • 学習者は主体的にリンクをたどり,ページを読解していくことになる.
    • 学習者は訪問したページを読解するために,関連知識を想起・適用する.
    • 関連知識の解説にアクセスできる場合,学習者はそれを参照・適用する.
    • 様々なページの読解に適用された知識は整理・統合され,短期記憶から長期記憶へ移行していくと考えられる.
    • 探求学習には学習者の主体性を重視するため,テストや質問を強制しない学習者モデルの構築が望ましい.
  • 知識定着
    • 知識の長期記憶化
    • 忘却モデル
  • 知識定着を妨げるWebページ
    • 関連知識の解説へのリンクを完備していないページ
    • 学習者は未習または想起困難な関連知識の解説を即座に参照・適用できない.
    • サーチエンジンの利用でカバー
  • サーチエンジンによる関連知識検索
    • 効率的な検索には,適切なクエリー入力が要求される
    • 学習者によっては目的の検索結果が即座に得られず検索作業を繰り返すことになる
    • 知識定着を妨げるだけでなく,学習意欲を低下させる恐れが生じる.
  • Adaptive Hypermedia
    • 「任意のWebページを利用して探求学習を行いたい」という学習者のニーズに対応しているとはいえない.
    • 支援対象が特定サイト内に限定されるという制約を排除することが重要課題となっている.
  • 人間の知識は事実や命題に関する宣言的知識と,操作手順に関する手続き的知識に分類される.
読解支援システムとしての側面から捉えた分類項目
  • システム形態:CGIプロキシ
  • 支援方法:関連情報提示
  • 利用者能力:知識状態,離散有限値(3段階),事前設定,変動
  • 内容難易度:忘却時間,離散無限値,事前設定,変動
  • 推定方法:忘却モデル
[1] 光原 弘幸, 越智 洋司, 矢野 米雄: Webページに関連知識の解説をリンクするWBLシステム, 電子情報通信学会論文誌, Vol. J86-D-I, No. 1, pp. 29-38, 2003-01

2010年9月2日木曜日

印刷時にWebページ内の特定の要素を出力されないようにする方法

印刷時にWebページ内の特定の要素を出力されないようにする方法をメモしておきます.

test.html
<html>
<head>
<title>test</title>
<link rel="stylesheet" href="test.css"/>
</head>
<body>
<div id="A">A</div>
<div id="B">B</div>
</body>
</html>

test.css
@media print {
    #B {display: none;}
}


上記のtest.htmlをブラウザで表示すると,AとBが上下に並んで表示されます.このページの印刷プレビューを表示すると,Aのみが表示されます.CSSの@mediaルールを使うと,そういうことができます.

2010年9月1日水曜日

Webページの構成と文章に着目したWeb検索結果の子供向けリランク手法

情報検索に関する論文[1]を読んだので,メモしておきます.

本論文は,子供によるWeb検索を支援するために,一般的な検索エンジンの検索結果を子供向けに再ランキングする手法を提案している.本手法では,子供にとって興味がわき,見やすく,勉強になり,わかりやすいことを子供向けと定義し,その度合いをスコア化している.そして,そのスコアに基づいて一般的な検索エンジンの検索結果を並べ替える.スコアは,Webページの構成に関する指標と文章に関する指標を組み合わせて算出される.本手法を評価した結果,多くの場合で一般的な検索エンジンの検索結果より精度が向上した.

注目フレーズ
  • 小学生のインターネット利用率は年々増加している.
  • 小学校6年生では9割近くもの子供が日常的にインターネットを利用している.
  • 子供がインターネットでWeb検索する際の目的は[勉強・宿題」に関する検索が53.9%,「趣味・娯楽」に関する検索が53.3%である.
  • 難解な文章を苦手とし,画像を好むというような子供の特徴を考慮したWeb検索エンジンは存在しないため,現状では子供がWeb検索を快適に利用できる環境が整っているとはいえない.
  • 子供は検索結果から自分が必要とするページを選択するのを苦手とし,検索結果の上位5件程度のページしか閲覧しないという特徴がある.
  • 子供にとってスクロール操作は負担である.
  • NDCG(Normalized Discounted Comulative Gain)

[1] 岩田 麻佑, 荒瀬 由紀, 原 隆浩, 西尾 章治郎: Webページの構成と文章に着目したWeb検索結果の子供向けりランク手法, マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジム, pp. 1365-1372, 2010-07

Webにおけるナビゲーションを伴う学習活動と支援環境のデザイン

eラーニングに関する論文[1]を読んだので,メモしておきます.

本論文は,Web上でのナビゲーションを伴う学習活動のモデルと,その活動を支援する環境のデザインについて述べている.Web上でのナビゲーションを伴う学習活動は,ナビゲーション,知識獲得,自己調整というプロセスが繰り返されて行われる.このような活動の支援方法には,学習リソース空間の構造化,学習プロセスの適応化,学習プロセスの活性化がある.

注目フレーズ
  • Web
    • 膨大で多種多様な学習リソースが存在している.
    • ハイパーメディアでは,迷子に陥りやすく,しばしばナビゲーションに行き詰まりが生じる.
    • ページ間の関連性やリソース間の関連性が明確に把握できない場合が多い.
    • Webにおいて主体的に学習を進める場合,ナビゲーション・知識構築と同時に自己調整を行わなければならず,学習者の認知的負荷は相当高くなる.
    • Webは学習を行ううえで良質な構造を提供しているとはいえない.
  • Web上にある学習リソースの中から必要かつ有用なものの選択を支援し,従来の学習教材より高い学習効果を生み出す環境を実現しようとするアプローチがある.
  • 近年,生涯学習をはじめさまざまな文脈においてWeb上の学習リソースを学ぶ機会が増えているので,上記のアプローチで学習環境をデザインする重要性・必要性は飛躍的に高まってきている.
  • 学習リソース空間
    • 膨大で多種多様な学習リソースが利用可能
    • 固定的ではなくオープンエンド
    • 頻繁にリソースの増減や変更が起こる.
    • 学習者は関連するリソースを選択するとともに,Webページのナビゲーションを行いながら自ら設定した学習目標を満たす知識を探求することができる.
    • 個々の学習リソースは,ハイパー空間を構成しているが,通常の学習教材のように十分な構造化がなされていない場合が多い.
    • 学習リソース間も検索エンジンなどを介してリンク付け可能であるが,それらの関連性を明確に把握できないことが多い.
  • あるトピックについて学ぶ場合,作成者の異なるさまざまなリソースが選択可能であり,それらを横断的に利用することでより幅広いあるいは深い知識を得ることができるといった効果が期待される.
  • Web上の学習リソースを用いた学習プロセスを支援する手法や環境が数多く開発されている.
  • デザイン基盤として学習活動に関する共通の想定が必ずしもあるわけでなく,学習支援の方法が個別に論じられてきたといえる.
  • Webにおける学習活動
    • ページナビゲーションとリソースナビゲーションを伴いながら,学習目標を満たす知識を探求・構築するプロセス
    • ページナビゲーションおよびリソースナビゲーションを伴う学習は,たとえ学習目標が同じであっても,個々の学習者によってナビゲーションの経路および構築される知識は異なったものとなるという特徴がある.
    • ナビゲーション,知識獲得,自己調整というプロセスが含まれる.
  • 自己調整
    • Webにおける学習プロセスを主体的に進めるために行われる活動
    • ナビゲーションプランニングとリフレクションは特に重要
  • 学習支援アプローチ
    • 学習リソース空間の構造化支援
    • 学習プロセスの適応的支援
    • 学習プロセスの活性化支援
[1] 柏原 昭博: Webにおけるナビゲーションを伴う学習活動と支援環境のデザイン, 人工知能学会誌, Vol. 25, No. 2, pp. 268-275, 2010-03

GETメソッドで渡されたパラメータの値を文字化けさせずにサーブレットで修得する方法

サーブレットの開発中に,GETメソッドで渡されたパラメータの値が文字化けしてしまうという問題に遭遇しました.とりあえず,解決したので,その方法をメモしておきます.

String encoding = request.getCharacterEncoding();
if(encoding == null) {
    encoding = "ISO_8859_1";
}
byte[] b = request.getParameter(parameterName).getBytes(encoding);
String parameterValue = new String(b, "UTF-8");


[1] 日本語パラメータの対応(getBytes)