2010年8月9日月曜日

学習者の理解度に対応した適応型eラーニングシステムの考察

eラーニングに関する文献[1]を読んだので,メモしておきます.

本論文では,一方的なコンテンツ配信に起因する動機低下や学習中断という問題を改善するために,学習者の理解度に適応して学習課題を提示する手法を提案している.本手法では,学習コンテンツをアセットとして,アセスメントをSCOとして作成し,これをSCORM 2004で導入されたトラッキングモデルと連携させることで,学習の進行を制御する.アセスメントは,IRTに基づいたテストで実施される.学習者へのフィードバックは,誤答した項目を再学習するためのコンテンツや再評価するためのコンテンツを提示することで行われる.

注目フレーズ
  • eラーニングは多様なニーズを持った学習者の参加を前提としており,システムへの要求も多様化する.そのようなニーズに柔軟に応えていかなければ,学習者を継続的に学習に参加させることが困難となる.
  • 現行のeラーニングシステムや標準化技術では,学習者の習熟度状態の把握がきめ細かくできているとは言えず,一方的なコンテンツ配信にとどまっているのが現状である.そのため,学習者のモチベーション低下や学習中断という事態が多く発生している.
  • SCORM
  • eラーニングにおける教育的アセスメントの要件
    • 習熟度の絶対評価ができること
    • 少ないテスト項目や短時間で実施できること
    • 機密性が高いこと
[1] 延原 哲也, 小山 嘉紀, 三宅 新二, 庄司 成臣, 劉 渤江, 横田 一正: 学習者の理解度に対応した適応型eラーニングシステムの考察, 電子情報通信学会技術研究報告, Vol. 104, No. 178, pp. 7-12, 2004

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