2008年3月9日日曜日

授業撮影のためのカメラの自動制御

授業撮影のためのカメラの自動制御についての論文を読みました.その論文についてメモしておきます(論文には書いていない個人的な意見も含んでいます).

Qiong Liu, Yong Rui, Anoop Gupta and JJ Cadiz: Automating Camera Management for Lecture Room Environments, Technical Report of Microsoft, 2000.

・提案
・撮影スタッフのノウハウが反映されたルールに従ってカメラを制御することで,遠隔地の受講者に対して人が撮影するのと同品質の映像を配信する方式
・遠隔授業の種類: live(同期型), on-demand(非同期型)
・急速な技術革新,生涯学習の高まり -> 大学,企業において講義をする機会が増加 ->
時間的および空間的に講義がバッティング -> 必要な講義が受けられない ->
同期・非同期の遠隔講義で解決
・遠隔講義を実施する上での問題
・設備にかかるコスト
  単発的,低価格化が進行
・人材にかかるコスト
継続的,撮影スタッフともなると,ノウハウを会得するのに時間を要する.
これをカットできれば,遠隔講義を大規模に実施できる
・先行研究との相違点
・被写体を追跡する技術
先行研究:カメラ1台
本研究:カメラ複数台
・授業撮影のためのカメラ自動制御
先行研究1:非同期型授業が対象,講師に特別な機材を装着する,
映像の編集ルールがスライドの切り替えに基づいている
本研究1:同期・非同期の両方が対象,講師は何も装着しない,
映像の編集ルールがプロの撮影スタッフのノウハウに基づいている
先行研究2:受講生を撮影するカメラがない,ビデオ解像度が変化する,
user studyの報告がない
・プロのルール
・ライン(line of interest)を交差しない
 ・話者の視線の先あるいは頭の向いているほうに空間を多くもうける
・話者を追跡しているカメラはあまり動かさない
・話者の頭の上に話者の頭の半分程度の空間をもうけるように話者を撮影する
・最初は全体の映像を撮影する.遠隔の受講者は,環境全体の雰囲気を味わうことができる
・ジャンプカット(同じ場所を微妙に動かして撮影する場合は切れ目なくそうするということか?)をしない.
・暗すぎるカメラの映像を使わない.意味を取り違えているかもしれないので,原文を(Don't cut to a camera that is too dark.)
 ・最低ほげほげ時間以上は同じところを撮影する.
・最高ほげほげ時間以上同じところを撮影しない.見ている人が飽きてしまうから.
・すべてのカメラの調子が悪い場合にバックアップカメラを用意しておく.
・質問している受講者は,即座に撮影する.
 ・質問している状態になくても,教室にいる受講生の様子を定期的に撮影する.

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