本論文は,子供向けの学びの場としてWebを有効活用するためのWebブラウザについて報告している.本ブラウザは,子供の嗜好や特性を考慮して,一般のWebページを子供向けページに要約する.子供向けページでは,一般のWebページに含まれるトピックを海中に漂う泡で,トピックの詳細を絵本で表現している.本ブラウザの有効性を評価するために,ひらがなブラウザ(一般向けのWebページ中の漢字を学年に応じたひらがなに変換して提示するブラウザ)を比較対象として,理解度と好評度を測定している.その結果,両方においてひながらブラウザより高い評価が得られた.
注目フレーズ
- インターネットの利用開始の低年齢化が進んでいる.
- 総務省による2007年の統計によると,6歳から12歳の子供の7割近くが日常的にインターネットを利用している.
- gooリサーチによる2007年の調査によると,インターネットを利用し始める年連は,未就学者が3割を超えている.
- 現状では,莫大な情報を持つ一般のWebページを,子供に対して,分かりやすく,楽しく提示するような仕組みは確立されていない.
- 子供向けのWebサイトやWebページ提示ツールが多く構築・開発されるようになってきた.
- 子供向けWebサイトはWeb全体から見るとほんのわずかな分量しか存在しない.
- Webページ提示ツールは,有害情報のフィルタリングなど,安全性の実現を目的としている.
- インターネットが学ぶ場として有効活用されていない.
- 情報閲覧・学習における子供の特徴
- 見せたい情報のみを与えた方が理解は深くなる.
- 楽しい経験は学習に繋がる
- キャラクタなどのイラスト中心のWebページに興味を持つ.
- 難しい漢字,長い文章のWebページを苦手とする.
- 何がどのカテゴリに属しているのかを理解するのは苦手だが,具体例があれば理解できる.
[1] 原 隆浩: バブルブラウザ:子供向けWebブラウザの取り組み―手探りの研究開始から手応えをつかむまで―, 情報処理学会誌, Vol. 51, No. 1, pp. 5-8, 2010-01
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