本論文は,Web上でのナビゲーションを伴う学習活動のモデルと,その活動を支援する環境のデザインについて述べている.Web上でのナビゲーションを伴う学習活動は,ナビゲーション,知識獲得,自己調整というプロセスが繰り返されて行われる.このような活動の支援方法には,学習リソース空間の構造化,学習プロセスの適応化,学習プロセスの活性化がある.
注目フレーズ
- Web
- 膨大で多種多様な学習リソースが存在している.
- ハイパーメディアでは,迷子に陥りやすく,しばしばナビゲーションに行き詰まりが生じる.
- ページ間の関連性やリソース間の関連性が明確に把握できない場合が多い.
- Webにおいて主体的に学習を進める場合,ナビゲーション・知識構築と同時に自己調整を行わなければならず,学習者の認知的負荷は相当高くなる.
- Webは学習を行ううえで良質な構造を提供しているとはいえない.
- Web上にある学習リソースの中から必要かつ有用なものの選択を支援し,従来の学習教材より高い学習効果を生み出す環境を実現しようとするアプローチがある.
- 近年,生涯学習をはじめさまざまな文脈においてWeb上の学習リソースを学ぶ機会が増えているので,上記のアプローチで学習環境をデザインする重要性・必要性は飛躍的に高まってきている.
- 学習リソース空間
- 膨大で多種多様な学習リソースが利用可能
- 固定的ではなくオープンエンド
- 頻繁にリソースの増減や変更が起こる.
- 学習者は関連するリソースを選択するとともに,Webページのナビゲーションを行いながら自ら設定した学習目標を満たす知識を探求することができる.
- 個々の学習リソースは,ハイパー空間を構成しているが,通常の学習教材のように十分な構造化がなされていない場合が多い.
- 学習リソース間も検索エンジンなどを介してリンク付け可能であるが,それらの関連性を明確に把握できないことが多い.
- あるトピックについて学ぶ場合,作成者の異なるさまざまなリソースが選択可能であり,それらを横断的に利用することでより幅広いあるいは深い知識を得ることができるといった効果が期待される.
- Web上の学習リソースを用いた学習プロセスを支援する手法や環境が数多く開発されている.
- デザイン基盤として学習活動に関する共通の想定が必ずしもあるわけでなく,学習支援の方法が個別に論じられてきたといえる.
- Webにおける学習活動
- ページナビゲーションとリソースナビゲーションを伴いながら,学習目標を満たす知識を探求・構築するプロセス
- ページナビゲーションおよびリソースナビゲーションを伴う学習は,たとえ学習目標が同じであっても,個々の学習者によってナビゲーションの経路および構築される知識は異なったものとなるという特徴がある.
- ナビゲーション,知識獲得,自己調整というプロセスが含まれる.
- 自己調整
- Webにおける学習プロセスを主体的に進めるために行われる活動
- ナビゲーションプランニングとリフレクションは特に重要
- 学習支援アプローチ
- 学習リソース空間の構造化支援
- 学習プロセスの適応的支援
- 学習プロセスの活性化支援
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